第6回 スタッフの頑張りが僕を奮いたたせる
僕はaJyuのディレクターであると共に、オーナーでもある。ディレクターの山本賢治には自信がある。でも、オーナー山本賢治には、まだ自信が持てない。経営者になってまだ2年半。美容師でいえば、見習いだ。余裕の表情をいつもしているように心がけてるけど、オーナー山本賢治の心はガチガチに緊張してる。aJyuの過去を振りかえる余裕は今の自分にはない。そして、未来のビジョンを具体的に示す余裕もない。そのことをスタッフみんなは分かってると思う。そして、冷静にそのことを見ているんだと思う。だから、あんなにみんな頑張ってくれるんだと思う。毎日、夜遅くまで一生懸命やってくれるんだと思う。今の僕は、その、みんなの頑張りにどう応えよう。思い浮かばない。ただ一つだけ伝えたいのは、そのみんなの頑張りが、僕を奮いたたせるエネルギーってこと。お前らがいるから自分は明日を考えられる。お前らがいないと、自分は何にもできない。だから、お前らはすごいんだ。経営者としての自分にはいまいち自信がないけど、このスタッフとなら、もっとお客様に愛される美容室が必ず、絶対につくれるという自信だけはある。
aJyuをオープンして、僕はちょっぴり変わった。最近、怒ることがなくなった。その分、笑うことは増えた。それもスタッフのおかげだ。みんなでご飯食べたり、お酒飲んだりするだけで、意外な発見があったりする。カラオケで音痴だったり。僕と若いスタッフで熱い語りあいになったり。個人の夢を語りあったり。帰って独りになった時、それを思い出してまた笑えてきたりする。こういう時間を大事にしたいと思う。どこまでも。
自分自身を説教してきたのかもしれない
僕は怒ることがなくなった、とさっき書いた。でも一つだけ注意してることがある。スタッフが自分のことだけに必死になって、周りが見えなくなる時がある。そんな時だけはちゃんと言う。調子にのったっていい。有頂天になったっていい。でも、周りがみえなくなるのだけはダメだ。自分だけしか見えなくなったらダメだ。自分のことしか考えられない人間なのに、ありがとうって言っても、それは口先だけだ。ありがとうって言葉を口にする時、心の底から言える謙虚さがなきゃダメだ。そこだけは、オーナーだからとか関係なく、人生の先輩として言わせてもらう。成長っていろんな意味があるけど、“僕は周りが見えるようになることが人間としての成長”だと思う。えらそうにここまで書いたけど、僕自身がそうだったのかもしれない。ちょっと前の僕は慣れない経営に必死で、スタッフのことを聞く前に、一方的に熱く語ることが多かった。スタッフから質問があっても、悩みを打ち明けられても、とにかく語りに入ってた。周りが見えていなかった。最近は、まず聞く。間をとる。整理する。そして話す。行動する。スタッフに周りを見なきゃダメだと言いつつ、それは自分自身が、山本賢治を説教していたのかもしれない。









