もうすぐ5月病のシーズン。今、美容師を挫折しそうなあなたへ。美容師じゃなくても、会社を辞めたいと思っている君へ。僕の昔話が少しでも役にたてばいいなと思う。
僕は16歳で美容業界に入った。若かった分、社会常識もなく、先輩は何から何まで指導しなければならず大変だったろう。何度注意されても、返事は「うん」。「うん、じゃなくてハイでしょ」と怒られても「うん」と答えてしまうくらい子どもだった。今でも美容業界の上下関係は厳しいと言われるが、その当時のきつさとは比べものにならない。オーナーにブラシで叩かれたり、スプレーを投げられたりするのは日常茶飯事。落ち込んでいる暇はない。山ほどの雑務に加え、先輩のお茶を入れ、食器洗いまでしなくてはならない。先輩を早く追い抜いてやる! というたった一つの想いが自分を支えていた。
駆け出しの頃、数え切れない失敗をした。中でも凄かったのが、黒ヘルメット事件。勤めていたサロンのオーナーから、習ってない施術をやれと言われ、わけがわからないままにとりあえずやってみた。「どうやればいいんですか?」「教えてもらってません」そんなこと言える雰囲気じゃなかった。その結果、お客様の頭皮がマジックで塗りつぶしたようにまっ黒になってしまった。まるで黒ヘルメットをかぶったようだった。原因は、頭皮につけてはいけない薬剤を使ってしまったからだ。そう簡単に元には戻らない。打たれ強い僕もさすがにしばらく口がきけないほど落ち込んだ。あなたが仕事で失敗したとしても、こう思えばいいじゃないか。あいつの黒ヘルメット事件よりましだ、と。ここまでの大失敗をした男も、美容師を続けていれば原宿駅前に自分のサロンを持つことができる。
何かのせいにしちゃいけない
美容師は自分で選んだ道。それでも、若い時は周りの高校生が羨ましかった。みんなのようにありあまる時間で恋愛をし、みんなのように全てを忘れて部活動に打ち込みたかった。中学生の時に僕は野球少年だった。その時、一緒に白球を追いかけた先輩や、真剣勝負をした対戦相手が甲子園に出ている姿を見て泣いた。彼らはあんなに眩しいのに、自分は名前さえろくに覚えられないアシスタントという立場で雑務に追われている。でも、このことが僕を奮起させた。あそこで終わっていたら、みんながうらやましいと美容師の仕事を放り投げていたら、僕の時間は永遠に16歳で止まっていただろう。今はどうだっていいじゃないか。明日のこと、10年後のことを考えよう。夢見よう。勤めている会社や美容室のせいにしちゃいけない。お金のせいにしちゃいけない。先輩や上司のせいにしちゃいけない。何かのせいにすれば、どこに行ったって辞めたくなる。今、希望を見出せないのは、あなたの邪魔をしているのは自分の心かもしれない。素直な気持ちになってみよう。赤ちゃんみたいに0の気持ちになってみよう。そうすれば覚えも早くなるし、思ったことをすぐ行動に移せるようになる。あなたが5月病を乗り切れるよう祈っています。









