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   <title>信念の鋏</title>
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   <title>第6回　スタッフの頑張りが僕を奮いたたせる</title>
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   <published>2007-10-24T03:50:35Z</published>
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      <![CDATA[　僕はaJyuのディレクターであると共に、オーナーでもある。ディレクターの山本賢治には自信がある。でも、オーナー山本賢治には、まだ自信が持てない。経営者になってまだ２年半。美容師でいえば、見習いだ。余裕の表情をいつもしているように心がけてるけど、オーナー山本賢治の心はガチガチに緊張してる。aJyuの過去を振りかえる余裕は今の自分にはない。そして、未来のビジョンを具体的に示す余裕もない。そのことをスタッフみんなは分かってると思う。そして、冷静にそのことを見ているんだと思う。だから、あんなにみんな頑張ってくれるんだと思う。毎日、夜遅くまで一生懸命やってくれるんだと思う。今の僕は、その、みんなの頑張りにどう応えよう。思い浮かばない。ただ一つだけ伝えたいのは、そのみんなの頑張りが、僕を奮いたたせるエネルギーってこと。お前らがいるから自分は明日を考えられる。お前らがいないと、自分は何にもできない。だから、お前らはすごいんだ。経営者としての自分にはいまいち自信がないけど、このスタッフとなら、もっとお客様に愛される美容室が必ず、絶対につくれるという自信だけはある。
　aJyuをオープンして、僕はちょっぴり変わった。最近、怒ることがなくなった。その分、笑うことは増えた。それもスタッフのおかげだ。みんなでご飯食べたり、お酒飲んだりするだけで、意外な発見があったりする。カラオケで音痴だったり。僕と若いスタッフで熱い語りあいになったり。個人の夢を語りあったり。帰って独りになった時、それを思い出してまた笑えてきたりする。こういう時間を大事にしたいと思う。どこまでも。
<h2 class="entry-header" id="archive-title">自分自身を説教してきたのかもしれない</h2>　僕は怒ることがなくなった、とさっき書いた。でも一つだけ注意してることがある。スタッフが自分のことだけに必死になって、周りが見えなくなる時がある。そんな時だけはちゃんと言う。調子にのったっていい。有頂天になったっていい。でも、周りがみえなくなるのだけはダメだ。自分だけしか見えなくなったらダメだ。自分のことしか考えられない人間なのに、ありがとうって言っても、それは口先だけだ。ありがとうって言葉を口にする時、心の底から言える謙虚さがなきゃダメだ。そこだけは、オーナーだからとか関係なく、人生の先輩として言わせてもらう。成長っていろんな意味があるけど、“僕は周りが見えるようになることが人間としての成長”だと思う。
　えらそうにここまで書いたけど、僕自身がそうだったのかもしれない。ちょっと前の僕は慣れない経営に必死で、スタッフのことを聞く前に、一方的に熱く語ることが多かった。スタッフから質問があっても、悩みを打ち明けられても、とにかく語りに入ってた。周りが見えていなかった。最近は、まず聞く。間をとる。整理する。そして話す。行動する。スタッフに周りを見なきゃダメだと言いつつ、それは自分自身が、山本賢治を説教していたのかもしれない。]]>
      
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   <title>第5回　熱い想いはインタビューで語ったので</title>
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   <published>2007-08-21T10:44:43Z</published>
   <updated>2007-08-21T10:45:55Z</updated>
   
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      　このコラムでは、毎回、僕の過去・現在の熱い想いをどわーっと書いているが、今号ではインタビューで様々なことを語らせてもらったので、ちょっと軽めにaJyuのスタッフのことを紹介したいと思う。
　まず、イイジマ。彼女は、aJyuを立ち上げた時からのメンバーだ。シャンプーをする時も、カットをする時も、口角がクイってあがっている。いつも笑顔。この前、ある方から「イイジマさん、うちの会社にほしいですよ」と言われた。それに対して僕は「もっていってください」と答えたが、もちろん冗談です！ 彼女は最近、アシスタントからスタイリスにデビューした。これからは良い人柄だけじゃ通用しない。でも、人一倍努力家の彼女なら、必ずスゴ腕の美容師になると信じてる。
　二人目は誰にしようか…おっさんことイクヤマ。彼は昔の仕事仲間だ。おっさんっていうのは、歳をくってるっていうのもあるけど、ちょっと若者にはない、人生をにじませたような圧倒的な存在感があるからだ。店内で彼が動くとお客様の視線が自然に彼を追う。それくらいの存在感。ずっとファッション雑誌や大手企業の広告などのヘアスタイリストとして活躍してきた。去年も六本木ベルファーレのヘアショーで創作スタイルを発表したりした。というとこれを読んだ方は、すごくかっこいいおっさんを想像するかもしれないが…「猪木Ｔシャツ」を着てお店に出てくるような人。一応、原宿の美容室なので…「猪木Ｔ」だけは反対してる…。
　おっさんのことを書いていたらスペースがなくなった！ 次はカラー担当のマツバ。見た目は今どきの若者。手足も指もすごく長細い。そして全身が女の子のように細い。マンガやゲーム…彼は何でもはまる。マンガのおもしろさを僕に教えてくれたのは彼だ。はじめはマンガなんてと軽蔑していたが、マツバお薦めのマンガに僕もはまってしまった。もちろん、彼は仕事にもはまっている。すごく研究熱心な青年だ。
　そして、セレブと僕がひそかに心で呼んでいるヘアスパ担当のスタッフがいる。たまに、丸の内のＯＬのようなスタイルで出勤してきたりする。見た目とは裏腹に親しみやすい人柄。
　あともう一人、ツクダっていうのがいるけど、現在はお休み中。復帰したら、紹介したいと思います。
      
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   <title>第4回　夢を見ることが現実を作り出す</title>
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   <published>2007-07-20T09:32:19Z</published>
   <updated>2007-07-25T10:35:32Z</updated>
   
   <summary>　僕が美容師になった時の初任給は７万円。その時の家賃は３万８千円だった。 　これ...</summary>
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      　僕が美容師になった時の初任給は７万円。その時の家賃は３万８千円だった。
　これでは、いくら節約してもやっていけるわけがない。食事は、勤めていた美容室の隣が弁当屋さんだったので、余ったおかずを毎日のように貰って何とかしのいだ。そのお礼変わりに、弁当屋さんの髪を時々カットした。その頃の僕は、遊び盛りの十代。お金がないからといっておとなしくなんかしてられない。なけなしのお金をはたいて、とことんクラブ通い…夜更かしのせいで、アシスタントにも関わらず、遅刻ばかりしていた。そのくせ、口癖は「日本一〜」というとんでもなく生意気なガキだった。
　お金の面でも、精神的にも、いつも超ギリギリの生活。でも、スゲー美容師になってやる、という志だけは忘れたことはなかった。ファッション雑誌をめくり自分がいいな、と思うヘアスタイルを見つけたら切り抜き、部屋中にペタペタと貼る。すごい数の切り抜きで６畳ひと間の壁が全て埋め尽くされた。カップラーメンをすすっていても、朝目覚めても、切り抜きが見える。それを見て、スゲー美容師になってやるという初心を毎日思い返す日々だった。
　切り抜きだらけの部屋に住みはじめて、３年目。初めて、ヘアスタイルのコンテストに出場し、３位になった。今、考えると、毎日切り抜きを眺めているうちに自然に感性が磨かれたんだと思う。次に狙うはもちろん優勝。「絶対優勝するからコンテストのモデルになってください！」と声をかけた。そしたら、３年連続優勝できた。夢を見ることが、現実を作り出すとその時、分かった。
　僕は、新人時代、勢いはあったけど、どうしようもない部分もたくさんあった。だからこそ、今、新人を教える立場になって、必ず人には長所がある。そこをとことん伸ばそうと思う。そして、新人に夢を語りまくる。にやけてしまうほど夢を語る。僕ら美容師は、多くの人に喜んでいただくために存在する。自分が幸せじゃないと、人を幸せにすることなんて出来るわけがない。マイナスの発想なんていらない。ただ、プラスの発想でコツコツ毎日、夢を語り続けたい。鋏を握り続ける限り、ずっと。
      
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   <title>第3回　お客様の頭が黒ヘルメットになった</title>
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   <published>2007-07-20T09:28:54Z</published>
   <updated>2007-07-20T09:31:59Z</updated>
   
   <summary>　もうすぐ５月病のシーズン。今、美容師を挫折しそうなあなたへ。美容師じゃなくても...</summary>
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      <![CDATA[　もうすぐ５月病のシーズン。今、美容師を挫折しそうなあなたへ。美容師じゃなくても、会社を辞めたいと思っている君へ。僕の昔話が少しでも役にたてばいいなと思う。
　僕は１６歳で美容業界に入った。若かった分、社会常識もなく、先輩は何から何まで指導しなければならず大変だったろう。何度注意されても、返事は「うん」。「うん、じゃなくてハイでしょ」と怒られても「うん」と答えてしまうくらい子どもだった。今でも美容業界の上下関係は厳しいと言われるが、その当時のきつさとは比べものにならない。オーナーにブラシで叩かれたり、スプレーを投げられたりするのは日常茶飯事。落ち込んでいる暇はない。山ほどの雑務に加え、先輩のお茶を入れ、食器洗いまでしなくてはならない。先輩を早く追い抜いてやる！ というたった一つの想いが自分を支えていた。
　駆け出しの頃、数え切れない失敗をした。中でも凄かったのが、黒ヘルメット事件。勤めていたサロンのオーナーから、習ってない施術をやれと言われ、わけがわからないままにとりあえずやってみた。「どうやればいいんですか？」「教えてもらってません」そんなこと言える雰囲気じゃなかった。その結果、お客様の頭皮がマジックで塗りつぶしたようにまっ黒になってしまった。まるで黒ヘルメットをかぶったようだった。原因は、頭皮につけてはいけない薬剤を使ってしまったからだ。そう簡単に元には戻らない。打たれ強い僕もさすがにしばらく口がきけないほど落ち込んだ。あなたが仕事で失敗したとしても、こう思えばいいじゃないか。あいつの黒ヘルメット事件よりましだ、と。ここまでの大失敗をした男も、美容師を続けていれば原宿駅前に自分のサロンを持つことができる。
<h2 class="entry-header" id="archive-title">何かのせいにしちゃいけない</h2>　美容師は自分で選んだ道。それでも、若い時は周りの高校生が羨ましかった。みんなのようにありあまる時間で恋愛をし、みんなのように全てを忘れて部活動に打ち込みたかった。中学生の時に僕は野球少年だった。その時、一緒に白球を追いかけた先輩や、真剣勝負をした対戦相手が甲子園に出ている姿を見て泣いた。彼らはあんなに眩しいのに、自分は名前さえろくに覚えられないアシスタントという立場で雑務に追われている。でも、このことが僕を奮起させた。あそこで終わっていたら、みんながうらやましいと美容師の仕事を放り投げていたら、僕の時間は永遠に１６歳で止まっていただろう。今はどうだっていいじゃないか。明日のこと、１０年後のことを考えよう。夢見よう。
　勤めている会社や美容室のせいにしちゃいけない。お金のせいにしちゃいけない。先輩や上司のせいにしちゃいけない。何かのせいにすれば、どこに行ったって辞めたくなる。今、希望を見出せないのは、あなたの邪魔をしているのは自分の心かもしれない。素直な気持ちになってみよう。赤ちゃんみたいに０の気持ちになってみよう。そうすれば覚えも早くなるし、思ったことをすぐ行動に移せるようになる。あなたが５月病を乗り切れるよう祈っています。]]>
      
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   <title>第2回　オレはaJyuの親父だ！！</title>
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   <published>2007-07-20T09:27:44Z</published>
   <updated>2007-07-20T09:28:25Z</updated>
   
   <summary>　ワインをがぶ飲みしているタプタプの僕の腹に、パンチがまともに入った。ふざけてる...</summary>
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      　ワインをがぶ飲みしているタプタプの僕の腹に、パンチがまともに入った。ふざけてるにしては、威力がありすぎだよ。おい。「グッ…この野郎」顔をあげると、ＴＶでよく見かけるタレントのＡがニヤニヤ顔で立っていた。「最低だ。テメーはよぉ！」 
僕の頭から、そいつが有名人ということは吹き飛んでいた。我を忘れてつっかかる。 女性ファッション誌で大人気のモデルが、その模様を携帯のカメラで撮影しているのを横目で見ながら…。
　僕はその日、メディアでカリスマ！ ともてはやされている美容師の結婚式に出席していた。「お前もさ、美容師という商売柄、有名人に顔を売っといた方がいいだろ」と、中学時代からの友だちが気をきかせて、カリスマ美容師の結婚式に出席できるようセッティングしてくれた。会場を埋めるのは、企業人・芸能人・モデル・タレント …頭に大物が付く人ばかり、ＴＶ局ごと結婚式場に移動してきたようだ。美容室オーナーとして独立したばかりの僕にとって、この機会はビジネスチャンスだった。それなのに、僕といったら顔を売るどころか、騒動を起こしてしまった。ビジネスチャンスなんて、どうでもいい。知人の顔を潰してしまったこと、迷惑をかけたことが、辛い。
　その日の夜、僕が結婚式へ出席できるよう気をまわしてくれた友人に、詫びの電話を入れた。「せっかく、オレのことを思ってくれたのに顔を潰して…スマン」。全然 気にしてないよ、と明るい声で慰めてくれる友人の声が身に染みる。包容力のある彼に比べ、自分は何と、ちっぽけか。
　電話を切ってぼんやり考えた。こういう時、カリスマと言われる美容師たちは、笑って流せるのか。嫌なことを言われても、無神経なことをされても、「相手が有名人だから…」と軽く流せるのか。だったら、僕はカリスマには永遠になれそうもない。それがカリスマの条件なら、そんな人種になるのはゴメンだ。
　翌日の朝礼。結婚式で騒動を起こしてしまったことをスタッフに報告した。オーナーである自分の大きな失敗を告白するのは勇気がいる。でも言わなきゃ、そう思った。その報告の後、僕はこう続けた。
「カリスマになんか、なんなくたっていい…オレは、aJyuの“親父”だ！ aJyuのスタッフが、もっと高い技術と温かい人間性を持てるよう、手本となる親父になる！ 時には、世界一頑固で厳しい親父。時には、世界一優しい親父になる！ オレは、aJyuの親父になる！！」
　そして、スタッフのみんなに、この言葉が届いてほしいと願いながら、最後を力強く結んだ。
「カリスマ美容師と言われる人たちと、考え方や行動を共にしてたんじゃ、戦っている意味がない！ オレたちは自分達の可能性にかけよう！！」
　この言葉が届いたか、そうでないかは、分からない。でも、僕は何度だって言いたい。 
aJyuはカリスマ以上！！ を目指しているんだ。そうだろ、みんな？
      
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   <title>第1回　熱いだけじゃダメだ!</title>
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   <published>2007-07-20T08:59:46Z</published>
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   <summary>2005年、4月。僕は、まとまったお金をつくるために、かけずりまわっていた。その...</summary>
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      2005年、4月。僕は、まとまったお金をつくるために、かけずりまわっていた。その額、2千数百万円。それに1円でも欠けたら、「若者のイメージの強い原宿に、大人の雰囲気の美容室をつくる」という僕がずっと抱いてきた夢は、永遠に夢となり、墓場まで持っていく ことになる。
銀行、公庫、信金を訪ね歩く…話を聞いてくれればマシな方。門前払いをくらうこともある。次第にいらだってくる自分がいた。
「お金を貸してください! お願いします!!」とひたすら頭を下げる。テーブルの上に手を八の字について、目をつむり頭を下げまくる。30半ばにもなろうという大人が、時に半ベソをかいて懇願する。
「なんで、貸してくれないの!」銀行の担当者に詰め寄る。ゴニョゴニョとよく分からない説明が返ってくる。「必ず返せるから! お願いだから、貸してくださいよ!!」と思わず、声高になってしまう。自分が腕の良い美容師であること、固定のお客様がたくさんいることをいくら熱く語っても、彼らには少しも届かない。
徒労に終わった帰り道。少しだけ諦めてしまいそうになる。そんな時、僕は自分にこう言い聞かせていた。「早く金を集めないと、あの場所が他の人に渡ってしまう! あの場所を逃したらもう原宿での独立は無理だ! あの場所でないと絶対にダメなんだ!!」僕がこだわるあの場所…原宿駅から徒歩数分、竹下通りの喧噪と裏道の静寂が交錯する最高の立地。一目惚れ以上。見た瞬間、 胸がカッと熱くなった。
「オレってまだまだこのレベルか…違う! こんな所で終われるかよ!!」こんな風な想いがさらに僕を熱くさせていった。今度は、どこに頭を下げに行こうか。もう、思いつかない。冷静さを失って荒れそうな自分を初心の心が抑えてくれた。「オレは絶対に出来る。あきらめない。信念。」 いつも頭に叩き込んでいた。
融資をお願いしてまわって3ヵ月目。金融機関から自宅に封筒が郵送されてきた。その封筒を開ける瞬間のやばいくらいのドッキドキ感。こんなのはじめて。破裂しそう。開けるのも手が震える。内容は 「融資決定」。郵便受けの前に呆然と立ち尽くし、その文字に何度も目を通すうちに涙が溢れ出てきた。運命の人からの恋文でも、こんなに涙は流せない。
十数年間、僕は毎日ハサミを握り、ただひたすら最高の美容師になることだけを考えてきた。そして経験を積んで、「オレは一人前になった」と勘違いしていた。資金づくりのことを通して僕にはまだまだ知らなかった世界があることを知った。熱い想いだけじゃダメだ。もっと社会に認められる人間になりたい」と強く思った。 
僕は、あの時の気持ちを一生忘れたくない。だから、毎日握るハサミに「信念」の2文字を彫った。今日も、信念のハサミで、僕は仕事を
し続けている。
      
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