20代のころ読んだ雑誌に、当時英国の首相だった「鉄の女」の異名を持つあのマーガレットサッチャーのインタビュー記事が載っていた。その雑誌の中で、インタビュアーは彼女にこんな質問をしていた。「今の若者に一言、もし政治家を目指すならばどんな勉強をしたらよいでしょうか」その問いに彼女はこう答えていた。
「それなら歴史と哲学を学びなさい」
政治学でも財政学でも経済学でもなく、「歴史と哲学」と彼女はそう言ったのである。もう20年近く前のことであるが、その記事は強烈に印象に残っている。
将来は起業したい、経営者になりたいと思っていた自分が、やはりそのころ知り合ったある経営者に質問したことがある。「経営者になる為にはどんな勉強をしたら良いのでしょう」彼は即座にこう答えた。「経営のイロハを学ぶことも大切だが、それならまずは歴史を勉強しなさい。歴史の中には教訓がある」ならば歴史小説でも、と山岡荘八100冊シリーズを端から読んだ記憶がある(残念なことに60冊くらいで挫折したが…)。
後で考えると別に歴史小説を読みなさいといったわけではなく、過去にあった事実や経験から、すなわち歴史から教訓を抽出しなさいということなのだと思う。
世界の歴史、日本の歴史も良いけれど、ここは少し視点を変えて、自分の歴史を振り返って教訓を抽出してみるのも面白いのではないだろうか。自分自身の数十年間の歴史を振り返り、どのようなことを経験してまた、どのような教訓を得たのか、改めて考えてみることは、これからの自分の生き方を考える上で大変有益である。
人生は山あり谷あり、良い時もあれば平坦な時もあり、落ち込む時もある。つまり必ず波があるということ。例えば、たまたま落ち込んでしまった時には、自分の歴史を紐解いて、以前に落ち込んだ時にどうやって復活したのか冷静に分析してみる。必ずそこには何かヒントがあるはずだ。
その復活の方程式みたいなものを確立してしまえば、これから落ち込むことがあっても安心していられるし、復活も早い。同様に成功したときにも必ず何か成功の要因があるはずだ。まさに歴史を教訓にして未来に活かすということだ。
社員教育を担当させてもらって感じるのは、伸びるタイプの人材と伸び悩むタイプの人材の大きな違いである。伸び人材は間違いなく経験や体験を教訓にして、自分自身で自分を改善していく。つまり、ミスはしても同じミスを2度しない。
ここで一度、自分の歴史を紐解いて教訓を抽出してみるのもいいかもしれない。
必ず今後に活かせるヒントが見つかるはずだ。
「答えは自分の中にある」私達は経験を教訓にし、成長する。
Profile

大林伸安(おおばやし・のぶやす)
株式会社ノビテク
代表取締役 やれる気請負人
一昨年、日本一の規模の研修実施プロジェクトを講師側総責任者としてマネジメントし、完遂させる。研修講師としても大手企業を中心に100社以上、経営幹部から新入社員まで、何万人もの受講実績がある。“やれる気請負人”として教育やコミュニケーションの促進により組織や人材のやれる気を引き出す。
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・07.06.25
神田へ移転しました。
〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町1-3-1 マレ神田ビル9階
Tel:03−5209−1107
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