うちのオフィスでは、有線で音楽を流している。先日、80年代の洋楽ヒットチャート・チャンネルを聴いていた時に、昔よく聴いた曲が流れてきた。懐かしく思いながら聴いていたが、誰の何という曲だったかがどうしても思い出せない…。
社員に聞こうとも思ったが、そんなことで仕事の手を止めさせるのも気が引けるし、それに「年代が違うので聞いてもわからないだろう」と勝手に思ううちに曲は変わり、結局うやむやになってしまった。その日から頭の中で、そのメロディが気にかかっている。だがやはり誰の何という曲かがどうしても思い出せない。人に聞こうにも洋楽なので、上手く口ずさむことも出来ず、結構悶々とする。こんな時に自分の記憶力の低下を嘆きたくなる。
たぶん多かれ少なかれ皆さんにも経験のあることかと。それが、先日、スポーツジムの帰りにフラッと立ち寄ったCDショップで偶然見かけたCDジャケットで思い出した。思い出してしまえば、何のことはなく、何故思い出せなかったのかが不思議なくらいだった。忘れるということは、消えてなくなるのではなく、保存した記憶がどこにあるのか取り出せなくなる状態なのだそうである。だから、あるきっかけで急に思い出したりすることもあるのだ。脳や意識の研究というのは、まだまだ解明されていない部分が多くあるが、それでも徐々に明らかになっている。
意識には、顕在意識と潜在意識があるが、この潜在意識の中に封印した記憶が蓄積されているのだそうだ。普段は顕在意識と潜在意識の間を覆う膜(Critical Faculty)があり、この膜があるために情報を簡単に引き出すことが出来ない。また、厄介なことに、この潜在意識に入った情報によって、無意識のうちに行動を支配されることがある。潜在意識には特徴があって、顕在意識で考えたことイメージしたことが潜在意識に入ってくる。潜在意識は誰かが作るのではなく、自分自身が作るのである。そしてその特徴として、潜在意識は現実と空想を区別できないし、現在と過去、未来を区別できない。また、一人称、二人称、三人称も区別できない。つまり「脳みそは騙されやすい」のだ。この思い描くイメージを潜在意識に入れることを“暗示”と言い、この暗示によって行動の変容が可能になる。
すなわちポジティブな暗示により、前向きな行動に自分自身を変容させることが出来るのである。スポーツのメンタルトレーニングなどはこの応用である。騙されやすい自分自身の脳みそを、自分自身で意図的に騙してみるのはどうだろうか。
しかし、自分で自分を褒めたり、励ましたりするのはなかなか難しい。そこで意識して周囲の人たちを褒めたり、励ましたりする方法をとる。何故なら潜在意識は誰が誰に言ったものか判別できないので、結果的に自分自身を褒めたり、励ましたりするポジティブな暗示をかけるのと一緒なのである。人を褒めたり、励ましたりすることで周りの人はやる気になり、実は自然に自分も前向きになれる。これはお得だ。
Profile

大林伸安(おおばやし・のぶやす)
株式会社ノビテク
代表取締役 やれる気請負人
一昨年、日本一の規模の研修実施プロジェクトを講師側総責任者としてマネジメントし、完遂させる。研修講師としても大手企業を中心に100社以上、経営幹部から新入社員まで、何万人もの受講実績がある。“やれる気請負人”として教育やコミュニケーションの促進により組織や人材のやれる気を引き出す。
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・07.06.25
神田へ移転しました。
〒101-0044 東京都千代田区鍛冶町1-3-1 マレ神田ビル9階
Tel:03−5209−1107
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