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No.10 友近 芸人

笑いなし真剣インタビュー 友近

これほど、お笑い芸人がたくさんいるにも関わらず、「友近っぽい」という芸風はどこにも存在しない。友近が現れる前にも後にも友近風の芸人は誰もいない。独自の芸風。それを理解してもらうのに時間はかかるはず。そこにあえて挑んでいる心境を伺った笑いなし真剣インタビュー。

PROFILE

友近(ともちか)
1973年、愛媛県生まれ。
NSC(吉本総合芸能学院)を経て、お笑い芸人としてデビュー。NHK新人演芸大賞他、多数の賞を受賞。TV番組、CM、映画などへの出演の他、書籍やCDを出すなど幅広い分野で活躍。

自分でここまでやりたいと思ってることの 2割くらいしか出せてない

——友近さんのお笑いって独自の世界観じゃないですか。そういう芸風の方って、ご自身の中に何か明確なスタンスがあるんじゃないかと勝手にイメージしちゃうんですけど、いかがですか?
友近「やってることは絶対ぶれないようにとは思っていますね。誰かに合わせようとか、笑いやすいようなネタを作ろうとかっていうのは一切ないですね。自分がおもしろいって感じたことを表現したいと思っているだけ。だから、ライブの時にお客さんの反応がないとか、TVに出た時にあまりうけないとか、そういうことで落ち込むことはないですね」
——自分の道、友近道を突っ走っていくやり方をされていて、もうダメだ、お笑いやめたいと思ったことはないんですか?
友近「それはないですね。何でもやりまっせというスタンスでやってたら、そう思ってたかもしれないけど、そうではないから。こういう感じの芸人って理解してもらうまでに時間がかかるのはしょうがない。とはいっても、今でも自分でここまでやりたいと思ってることの2割くらいしか出せてない。その2割も分かってもらってる人って少ないだろうな、と思っているんで、全部出し切るまではお笑いをやめることはできないですね」
——これだけ活躍されていても、まだまだ出し切ってない、理解されてないっていう感覚がすごくあるんですね。
友近「そうですね。まぁすべて分かってもらおうと思う気持ちがおこがましいですけどね…。関西でいうならバッファロー吾郎さん、関東でいうなら爆笑問題さんを尊敬し、理解者だと思っています。だから、TVで一緒に出させてもらってる時も気分的にすごく楽ですし、楽しいですね。しょうもないことを私が言っても、拾ってくれるというだけで、こっちも安心して話ができるというか」
——ということは、TVの収録なんかしてても、自由に発言できてないと感じてしまうこともある?
友近「ほんとそれではダメなんですけどね、人とか環境によって全然しゃべれなくなったりする時ありますね。1時間一言もしゃべらなかったりとか、収録中でもそういうのあったりするんで。その空間に一人でも空気が違う人がいると、それでもうしゃべれなくなるんですね。あと、収録でしゃべったとしても、あまりにも編集でカットされることが多すぎるんですね、自分は。場の雰囲気をつくれてないんでしょうね。そういう意味でも、もっと友近というものを分かってもらう努力をしないといけないと思いますね」

笑ってもらうというよりか、分かってもらうですね。自分の場合は

友近——ご自身で友近の笑いをどのように分析されますか?
友近「関東、関西関係なく、自分の芸風が引っかかるか、そうでないかは人間の種類や、と思うんですね。おっさんとか、OLとかを見てて、普通に聞いてたら聞き流すところを、あえてここ気になりませんか皆さん、という風にやっているんで、その言葉がなんでそんなに気になるの? という人には、おそらく説明しても分かってもらえないと思うんですよね。誰も共感できないネタとかになると、ずーっとスベってますからね。笑ってもらうというよりか、分かってもらうですね。自分の場合は。何にしてもそうなんですよ。友達つくるにしても、つき合うにしても。嫌なものとか苦手なものの価値観が一緒という人じゃないと無理なんですね」
——人間観察がネタのもとになっていますね。普段から人間観察をする方ですか?
友近「日頃から人を観察するのは癖ですね。おかしな人、変な人が見つかった時とかは嬉しいですね。例えば、OLさんとかだと、なんでそんな会話でこんなに盛り上がるの? って思うことがよくあるので、それを盗み聞きしているだけでもおもしろいですね。この前もえらい盛りあがってるOLの集団がいたので、何がそんなにおもろいねん、と聞いてたんですけど、男のタイプの話をし
ていてそのうちの一人が『すごいかっこいい人がいてね、顔面偏差値で言うと東大理Ⅲなのよね』みたいなことを言ってて、えらいヒドい表現するなと思ってたら、周りのOLさんたちみんな『分かる! 分かる!』とか言ってるから、それで『分かる! 分かる!』なんのかってびっくりして。そしたら今度は、そのOL集団の中に『私って、イベンター並につくすんだよね』って言う人がいて、イベンター並って言うのをめちゃめちゃ使ってたりとか。この人たちとは友達になれんなと思いつつ楽しく聞いていたんですけど」

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