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No.12 梅佳代 写真家

言葉で言うほど嘘になるから 梅佳代

写真の雰囲気は冬…このインタビューは2007年2月に収録されたものだ。その1ケ月後、梅佳代さんは写真の芥川賞と言われる「木村伊兵衛写真賞」に輝いた。それは写真の神様から私たちへの「梅佳代の写真は笑いだけじゃない。違う部分もちゃんと見なさい」という手引きなのかもしれない。

PROFILE

梅 佳代(うめ かよ)
1981年、石川県生まれ。
2002年、日本写真映像専門学校卒。写真新世紀にて「男子」と「女子中学生」で、佳作を2回受賞。2007年、写真集「うめめ」で木村伊兵衛写真賞受賞。東京をはじめ、パリ、ロンドン、タイで展覧会を開催、海外でも高く評価されている。
梅 佳代 Official Website http://www.littlemore.co.jp/book/kobetsu/art/umeme.html

デーブの悪口をずっと言ってる人 サノさんと出会ってから視点が変わった

——はじめに、梅佳代さんの写真の原点を探りたいな、と思っているんですが、中学や高校の頃の部活動は何をされていたんですか?
「中学校の時はバレー部。補欠だったけど。一人だけサーブが届かなくて、下から打つ天井サーブをやらされて注目を浴びてました。すごく恥ずかしかった…(笑)。高校は放送部。放送部って言っても、弁論大会とかあるわけじゃなくて、私と友達、あとアニメ好きの集まりが、お昼休みに好きな音楽かける、ただそれだけです。それしかやってない」
——部活動まわりに写真の原点は無さそうですね(笑)。友人関係はどんな感じでしたか?
「サノさんがね、」
——サノさん?
「あぁ、高校の時の友達。サノさんはデーブ・スペクターの悪口をずっと言ってる人なんですよ。『私デーブ・スペクターほんと大嫌い。ダジャレむかつく』って。探偵ナイトスクープをビデオに録って見せてくれたり、CDもすごく持ってたり、その人と友達になってから世の中を見る視点が変わってきたのかもしれない」
——視点のおもしろさはサノさんから学んだ、と。その時、写真の撮影はしてたんですか?
「私たちの世代って、みんな写ルンですを持ってたじゃないですか。私もその中の一人で撮影はしてた。あと、雑誌のOlive好きみたいなかわいい友達が、コンパクトカメラで撮っているのを見て、私もやったらかわいいんじゃないか、とそれで力を入れ出したのはある(笑)」
——でも、そういうのって多くの人が趣味で終わっちゃうのに、高校卒業しても、写真を続けた理由は?
「高校を卒業する時にどうしても進路を決めないとダメで、将来どうしたらいいか全ッ然思いつかなくて。芸能人に会えるかもしれないというのもあったけど一番の理由は、簡単にできるかなと思っただけなんですけど。それで、写真の専門学校に進学を決めた」

ビックカメラとかの現像で普通に出てくる色がいい

——写真の専門学校に通うために石川県柳田村から大阪に出て来た時、街を見てどんな風に思いました?
「これが都会か! ってものすごいショッキング。恐怖と焦りが入り交じって。でも、学校に自分より田舎もんみたいな、方言ひどい人いっぱいいたから、不安はなかったし、すぐ慣れた」
——写真の学校に入った時の思い出は?
「最初の課題が、『花』だったことを覚えてる。花って言われてもたくさんあるしなー、その辺にある花は当たり前すぎるしなー、と思って仏壇用の花を撮影して提出した。良い作品は紹介されるのに、全然自分の名前呼ばれないし、やっぱ違ってたのかなぁと思っていたら、一番最後に誉めてもらったんですよ。その時、先生、上手いなとは言わなくて、梅は良い写真撮るなと誉めてくれた。それで、これで良いんだと思った。また誉められれば良いなぁと、それから調子にのってやっていた(笑)」
——そのまま調子にのって撮影し続け、専門学校在学中に写真新世紀(メディア影響力を持つ新人写真家の賞。キャノン主催)で佳作を2回も受賞。その頃って新しい感性を持った若手写真家がどわーっと出てきた頃ですよね。
「HIROMIXとか、佐内正史とか、カメラマンスターたちですね。というか、私はあの人たちのことを勝手にそう呼んでいたんだけど。佐内さんのことが好きでサイン会行ってたりしました」
——梅佳代さんがカメラマンスターと呼ぶ辺りの人たちって、プリントで自分独自の色調にこだわっている人が多いじゃないですか。でも、梅佳代さんはあんまり現像にこだわらないですよね。そこで影響は受けなかったんですか?
「それは問題じゃないと最初から思っていて。私は。もちろん、関係ある人は関係あるんですよ。私にとっては問題じゃないということ。ビックカメラとかの現像で普通に出てくる色がいい。というか、どっかを黄色くしてくれとか、そんなの私は思いつかないから。ラボ(主にプロを顧客にする現像所)にも出したことあるけど、あのCOOLな雰囲気とかが苦手で行けないんですよ」

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