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No.28 田附勝 写真家

田附勝  被写体との壁も 写真になる。

その男は、初めからタメ口だった。その男は、取材前にタバコが切れたとコンビニへ行った。その男は、別れ際、必ずピースをしながら、手を振る。その男は、前に会った時にした話を忘れたら少しイラついた。その男に写真を語らせたら、数時間はあっという間だ。

PROFILE

田附 勝(たつき・まさる)
74年、富山県生まれ。スタジオアシスタントを経て、フリー写真家。ポートレートを中心に雑誌・CDジャケット・広告などで活躍。98年より、デコトラ及びそれを取り巻く人物をライフワークとして撮り始める。2007年、それがようやく一冊の写真集に。

被写体との壁も 写真になる。

田附勝——デコトラを9年撮り続けてきたそうですね。何というか、デコトラの魅力にはまったって感じなんですかね。
田附「はじめに言っておくと、オレ、トラック専門のカメラマンじゃないから。良く間違えられるのよ。別にいいんだけどさ(笑)。日本の社会、人、生きること、逞しさとはどういうことかっていうのを表現したいっていうのが根本にあって、その一つのフィルターがデコトラだったってことなんだよ」
——じゃあ、今後はデコトラ以外のテーマも追っかけていく、と。
田附「そうだね。ずいぶん長い間、デコトラを撮り続けてきたし、それは休みだね。こういう写真集出すと、『自分もこんな風に撮ってくれ』っていうトラック乗りも出てくるかも分からないどさ。それは違うからさ。『撮りました』『いやーありがとう』って関係でしょ。写真集『DECOTORA』の被写体はみんな『お前、いったい誰なんだ』『何のためにオレたちを撮るんだ』みたいな漠然とした関係性の中で撮ってきたからさ。一応、『写真集になったらいいんですけどねー』みたいなことは言ってたけど、あてがあったわけじゃない(笑)」

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